パラオGT釣行記2004

2004年1月9日のパラオ共和国でのGTフィッシングレポートです.

朝,ウェスト・プラザ・ホテル・マラカルの一室で電話が鳴る.
今回のGTガイドを頼んでおいたSARAガイドサービスのKUMEさんからの電話だ.
船には幌の屋根があるが,どうしますか?という電話でした.
今回はGTキャスティングは私だけ.同行は奥さんだけなので,幌付きでお願いする(これが後で役立った)
9時にホテル・ロビーでKUMEさんとお会いして,打合せ.
今日は風が強めで外海には行けないかも知れないので近場から順に撃って行きますとのこと.
まぁ初めてのパラオなのでガイドにお任せ状態でもあります.

ホテルから歩いてすぐの波止場に既にボートは準備出来ていた.ガイドのKUMEさんにキャプテン・ルース.
若干準備に手間取ったが出港〜〜〜!

ボートは,25〜30フィートのフラットボート.ヤマハ115馬力を2機架けしてるので結構速い.
ちなみにパラオではローカルの人の船を除いて観光やダイビング,釣りなどに使うボートは全てエンジン2機架け.
理由は,以前ダイビング中にエンジン1機架けのボートのエンジンが故障して,しばらく漂流し,その間に潜っていたダイバーを見失ってしまった事故が発生したため,とKUMEさんから聞きました.

天候は曇りで今にも雨が降りそうだが,マラカル島からロックアイランド東側を通って走る.

20分ほど走って,インリーフのポイントに到着.小さな沈んだリーフのエッジがポイント.
風上にボートをつけてエンジンSTOP.ここからGTフィッシングの開始です.
ラ・グランメールSP79M+98ステラ10000PG,PEは6号にリーダー130LB.
プラグはもちろんカーペンター アンティアス120Zです.
久しぶりのGTキャスティングなので(練習しようとしたけど時間がなかった)とりあえず軽〜めに投げる. 60〜70mぐらい前方に着水.すぐにラインスラッグを取って,ポッピング開始.
小移動を繰り返して3箇所目のポイントで,ポッピングしたすぐ後ろで結構大きな魚が跳ねた!バイトか!
追いバイトを誘ったがその後は反応なし.
KUMEさんいわく「ポッパーの航跡にバイトしましたねぇ〜」
そこではそれ以上の反応はなかった.


次に小移動したポイントの第一投目で,ドバッ!!と水面が炸裂!次の瞬間にガガーンとロッドに衝撃が!
来たっ!ティップを持って行かれてからアワセる.さらに追いアワセ.足元が濡れているのでバランスが崩れる.はやくファイティグ態勢に移らねば・・・・
ギンバルのホールにグリップエンドを挿入してばっちりOK.それほど大きくはないのでゴリ巻き出来るが,ボート際に来てから右に左にと走り回る....コイツ,てこずらせるな・・・・なんとか水面まで上げてきたら・・・やたら細長い体,,,サメだ!
サメだと判った瞬間に全身から力が抜けていく(苦笑)
KUMEさんが船縁でペンチリリースしてくれる.うーん,GTにしては走らないので外道かも・・と思ったが出来ればGTであってくれ〜と内心叫びつつファイトしたけど残念.
「ウォーミングアップには丁度よいですね」とKUMEさんが言う.確かにそうだな,重量にして15kgくらいのサメだったので練習には良かったかも知れない.
KUMEさんの話では台湾人やアメリカ人はサメが釣れると大変喜ぶそうだ.ファイトはまぁまぁ強いし割合簡単にヒットするからだそうな.日本人の間ではサメは悪役イメージが強くて,食べても美味しくないし,釣り上げる最中の魚を食ってしまう(シャークアタックと言います)ので嫌われ者なのだが,お国が変われば,嗜好も変わる,という見本かな.

サメをリリースした瞬間にそれまでヤバかった空から物凄いスコールが襲ってきた!
どっば〜〜と一面豪雨(^^;やれやれ.
幌を付けてきたのが幸いした.通常のGTの時は幌を完全にとっぱらって行うそうなので,もしそうだったら,ひたすたこの豪雨に耐えねばナラヌところであった.
雨上がり待ちの間,KUMEさんがライトタックルを投げてみては.と言ってくれる.
そこで持参したライトタックル(ダイワ・グランウェーブ5908+ツインパワー4000)にDUOのダイドミノーを結んで投げる.
ちょうどボートはリーフのシャローに流されてライトタックルに良いシチェーションだ.
何投目か,すこ〜し重くなった.ミノーが絡まったかな?と思って巻き上げてくると,なんとミノーより小さい?と思われるカンモンハタがヒットしていた(苦笑)
自分より大きなミノーに食らいつくとはね.

雨も小康状態になって大きく移動.GTフィッシングを再開するが反応はない.
リーフエッジの外側にボートがある時はGTタックルを投げ,シャローまで流されたらそのままライトタックルに持ち替える2正面作戦.
時折,シャロー側でアジサシが鳥山を作っているのが見えるので,駆けつけると,バコバコとナブラが立っている.KUMEさんいわカスミアジだと言う.ミノーのサイズを少し小さくしてはどうかと,KUMEさんのアドバイスに従ってDUOタイドミノーの9cmにチェンジ.
ナブラの向こう側に投げてトゥイッチを繰り返すとガツーン!ヒット!
透き通った水を通してトレバリーが右に左に走るのが見える.青いヒレが鮮やかだ.予想通りカスミアジ.サイズは30センチほどであるが,こういう小物釣りも楽しいものだ.

この場所では魚の活性が高く,バラフエダイ,ダツもヒットしたが,またしてもスコールが襲ってきて島影に逃げる.
スコールが止んでから移動すると目の前にもっと大きなナブラ発見!クロアジサシが大きな鳥山を作っている.ドバン!ドバン!と水面が炸裂している.ナブラの移動速度が速いがキャプテン・ルースがうまく先回りして最高の位置に船を持ってきてくれた.
ナブラの向こう側にミノーをキャスト.そしてトゥイッチしてくると先程のカスミアジよりもデカイ魚がガツーンとヒット,と同時にドラグがジジジジジーーーーーと鳴り続ける.をぉ〜これはちょっと良いサイズだね.巻いて寄せても再び走られる.ラインはナイロン12LBにリーダー20LBなので無理は禁物.ゆっくり寄せてくる.やっと寄せたと思ったら船の真下を走って反対側へ.かなり手こずったが寄せてくると,これがカツオだ!こんなインリーフのシャローにもカツオが回遊してくるなんて.
2003年は日本で何度もカツオ釣りを計画しても,荒天で出られなかったり,出れたら群れが居なかったり散々であったがここパラオで仇が討てた(笑)
このカツオだけは即,氷〆でクーラーボックス行き.

その後もカツオと思われるナブラを追いかけたが,移動速度は速くてなかなかキャスティングできない.そうこうしてるうちにまたしてもスコール.ちょっと今回のスコールは規模が大きくて小一時間の退避を余儀なくされた.


時間もお昼近くになり,トイレ休憩も兼ねて近くのトイレのある島に向かう.
多分,ガルメウス島という所だと思うが,既に何隻ものシュノーケリングツアーの船が集まっており島は大賑わい.
ここで休憩を取って1時間後に再び出撃.

午後からも容赦なくスコールが襲ってきて晴れはおろか曇りの時間が殆どない.
奥さんの様子を心配したKUMEさんが大丈夫ですか?と奥さんに声かけると,レインコートにくるまっていた奥さんが 帰れるものなら帰りたい,と言ったので,「次のポイントでラストにしましょう」と宣言(^^;
ムムム,次がラストか....まだ本命GTを釣ってないぞ.これはヤバい.
ポイントに到着して一投入魂でキャスト!!
正直,ダメかも知れないと思い始めたが,パラオの海の女神は見捨ててはいなかった!

午前中はSP79M+ステラ10000PGのタックルで投げていたが午後になり疲れでキャストやポッピングが不正確になってきたので予備のラ・グランメールLA76(ライトアドバンテージ)+ステラSW8000にチェンジしていた.こっちの方がタックル総重量が軽いので疲れた時に有利だからなのだ.
その場所に入って三投目だったと思う.やや大きめの波があり,アンティアスが波間に消えた瞬間を見計らって強く長いストロークでポッピングした.
ゴボッとポッピングしつつ水面直下を泡を長く引きながら少しウォブリングするのがアンティアスの特徴だ.このアンティアスの特徴を活かすために長いストロークのポッピングをするのだが,その水面下に来た時に生体反応が伝わった!

グン!最初は根がかり?と間違えるような重量感.あれ?と思った次の瞬間にガツーンと走り出す.来たっ!ヒットだ!この土壇場でヒットだ!!
アワセを入れるが態勢が波で崩されて思うように決まらない.
早くファイティングに持って行かねば・・・・・ 焦る・・・・・・ その間に魚は走る.ドラグテンションは6kg.ジリジリとドラグが出て行くが沖縄で掛けたGTほどのトルクはない.無我夢中でゴリ巻きするが走られたりしてなかなか距離が詰まらない.KUMEさんが何か叫んでいる.しかしよく聞こえない.必至になって魚の走りに耐え,魚が止まると巻く.これの繰り返しで2〜3分後にようやくリーダーが見えてきた.水面下にはギラリと銀鱗が!「GTだ!!」とKUMEさんが叫ぶ.
ボート際になってから再びGTが走る.風と波で船も流れており,大変だ.
しかしKUMEさんがリーダーを掴み,ランディング成功!やったぁぁぁぁ〜〜この歓喜の瞬間がナンとも言えない.
KUMEさんと固い握手を交わす.よくぞ最後のポイントで釣れたものだ.
サイズはGTとしては小型の部類に入る推定13kg.でも大きさじゃない,このスコールが絶え間なく襲って来て思うように釣りが出来ないタフコンの状況で釣ったことに価値があるのだ(と勝手に思い込む・笑)
これで納得できたので即帰港.帰りの帰路はロックアイランドの中心地域をクルージング.心に余裕が出来てきたので,パラオの景色を楽しみながら帰ることが出来た.

結局,この1日でGT,カツオ,カスミアジなどを釣ることが出来ました.ひとえにSARAガイドサービスのKUMEさん,キャプテン・ルース,そしてこの釣り馬鹿亭主に一日のチャンスをくれた奥さんに大感謝です.
KUMEさんのガイドは非常に丁寧かつ親切,隅々まで配慮が行き届いていました.パラオのいろんな話をしてくれましたのでパラオ初日の私達には大変助かり.さらに釣れたカツオを日本料理店に持って行ってくれて,夕方,その料理屋まで送迎までしてくれるサービスぶり.なかなかここまで出来ませんヨ〜.GT,ジギングはもちろんエサ釣りまで幅広くサポートしてくれますので,パラオで釣りしたいなと思ったら,SARAガイドサービスまで連絡してみると良いです.お勧めです.